歯周病のお話
歯周病とは歯周病菌によって引き起こされるものですが、高齢者がかかりやすいと言ったイメージがありますが、年齢に関係なく時間をかけて進行していく病気なので気をつけないといけません。
Silent Disease(サイレント ディジーズ)と言われる病気の一種で、症状が現れることが少なく知らない間に進行していくことが多いです。
中高年になって免疫力や組織の再生能力が衰えだす頃に症状が出だすことが多いようです。
また普段は身体の抵抗力と細菌の力とがバランスがとれていて慢性化しており症状が出ていないことが多いですが、寝不足だったり、風邪を引いたりして抵抗力が下がったときに細菌の力が勝って症状を出すことがあります。
そしてまた抵抗力が戻ると何事も無かったように症状が無くなって回復したように見える・・・
そのようにして普段気がつかないうちに進行していくのが怖いところですね。
また虫歯の無い方に歯周病が多いといった傾向もあります。虫歯菌と歯周病菌の口の中での繁殖しやすい割合(細菌叢の分布)が関係しているようですが、
それと同時に唾液のカルシウム濃度などの性状も関係していると思われます。(これはどこにも書いてないので個人的な見解ですが、笑)
理屈はこんなところです
唾液のカルシウム濃度が高く、再石灰化がしやすい人は歯のカルシウム成分が細菌の出す酸によって溶けだしても、唾液からのカルシウムがそれを補い虫歯にはなりにくいですが、反面歯石(細菌に唾液のカルシウム成分が沈着したもの)がつきやすい傾向にあります。歯石が付くと酸素が遮断され嫌気性菌(酸素を嫌う細菌)が繁殖しやすくなります。
歯周病菌は嫌気性菌なのでまさしく繁殖しやすい環境が整うわけです。
よくお聞きするのが、昔小学校の頃に歯の健康優良児で表彰されたことのあるおじいさんのお話
「昔は虫歯は一本も無かったのに歯が抜けてしまった」と言うお話です。
知らないうちに進んでしまわないように気をつけましょう。
虫歯を引き起こす細菌と歯周病を引き起こす細菌は別物なので定期的に健診をお奨めします。