新型コロナの治療薬としてアビガンが取りざたされていますが、新型コロナウイルスに効くというエビデンスはないとのことで、ほんとにこんな薬承認して良いのかなと疑問に思っています。
アビガンは、本来の適応症である季節性インフルエンザに対する有効性も証明できていないそうで、そのうえ、副作用として催奇形性(胎児に奇形を及ぼす危険性)があったため、本来なら承認される条件を満たしていない薬だったということです。それなのに、「既存の薬とは違うメカニズムでウイルス増殖を抑えるので、ほかのすべての抗ウイルス薬が効かないような新型インフルエンザが流行ったときに試してみる価値がある」という、極めて特殊な条件で承認されたということらしいですね。
アビガンの主な作用機序は、RNAの複製とmRNAの合成を阻止するそうですが、それは自身の細胞に対しても言えることで、とりわけ分裂機能の激しい細胞(卵細胞や生殖細胞)では顕著でしょうし、そりゃ奇形になるわと思います。癌化するかもしれませんし・・・すごいリスキーな薬ですよね。
もう先が短い年齢の重症患者には試してみる価値はあるのかもしれませんが、まだ先が長い若年から中年には使いたくないと思いますが・・・
それをさも特効薬のようにアピールだけするのはどうかと思いますが、すべて政治面でのアピールじゃないかなと思ってしまいます。
まあほかの薬もいろいろ研究されているでしょうから、間違いは間違いで取りやめていただいて、無駄な捨て金だけはしないでいただきたいもんですね。