患者様の声・質問

歯周基本検査について

 

歯石を取ったりクリーニングをしたりするときに歯茎の検査をします。

一番簡単な検査は歯周基本検査と言いますが、保険診療で歯石を取ったりするときにはまずこの検査をしないと出来ない決まりになっています。

検査をして病状を把握して治療計画を立てるためです。

保険制度では予防のための治療は基本的に認められていませんので必ず流れに沿った方法で治療していかなければいけません。

たまにですが、検査はいらないので歯石だけ取ってほしいと言われる方もいらっしゃいますが、保険では無理です。

自費診療では医師の裁量に依るのでできますが、何もわざわざ保険で安くできるところを自費でやるのも・・・どうかと思うのですが・・・。

それと歯周基本検査で検査のために歯茎の病状が悪化してドンドン進行していくなんてことはありませんので安心してください。

よほど新米の衛生士さんにプローブを突き刺されたかどうかしたのかもしれませんが、そんなに痛いものでもないです。

ちなみにこの検査をできるのは衛生士かドクターしかだめです。助手は出来ませんので。

 

基本的に保険治療でできるところは利用したらいいと思うのですが、それでもどうしても自費でやりたい方はご相談ください。

混合診療は出来ませんのですべて自費で診療します。

認知症患者の口腔ケアについて

少し前に保険医協会で認知症患者の口腔ケアについてのお話がありました。

認知症患者の場合口を開けようとしない、噛みつく、指示を理解できない、暴力をふるう場合があるなどにより歯科治療は困難を極めることが多いようです。

それゆえ認知症患者の場合は気道感染や口腔感染症の予防と口腔機能の維持向上を目的とした口腔ケアに重点を置くべきだということを言われていました。

口腔ケアとは簡単に言えばお口の中を清潔に保つこと、歯磨きや入れ歯の掃除をしっかり行うことです。

 

たしかに口腔ケアは誤嚥性肺炎などの予防にも役立つし、栄養維持、ひいてはQOLの向上に有用であります。

 

歯科医師、歯科衛生士のみならず看護師、介護者による多くの病院や施設での口腔ケアの普及の取り組みが期待されるところです。

 

 

ただ認知症に陥るまでに口腔内の保存処置、補綴処置(簡単に言えば虫歯を治したり、入れ歯などをを入れて噛めるようにする処置)を行っておかないと口腔ケアに重きを置いた治療などできないと思うんですよね。痛がってるのに歯磨きだけできないでしょう?入れ歯が割れて使えないのにきれいにしたって意味ないでしょう?

訪問治療でそういう話は聞きますけど・・・

 

建前の話は分かり切ったことなんですよね。誰でもわかってる。建前じゃないところを知りたいわけですよ。

 

だからそうならないために結局のところ、若い時からのお口の中の健康維持管理が大切だということに尽きるんですよね。

本音を言うと健診を受けて治療できなくなった時に備えましょうねということです。

 

じゃないとそうなってからは満足な治療はほぼ出来ないってことです。

こんなこと言うとまた偉い先生に叱られそうですが、それが現実ですよね。

連結冠について

 

先日、飲み屋で隣になった人から連結冠について質問されました。プライベートであまり仕事の話はしたくないのですが、聞かれると答えないわけにはいかず・・・

 

その方は4本連結されているそうですが、「歯医者に行って根っこの治療して治してもらったけど、4本全部引っ付いてるんですが、入れる前からその一個が痛くて、でもすぐ治ると言われたんだけど、まだ痛くて、4本繋がってるのに治せるんですか?」と言うものです。

基本的に歯周病等でよほど歯を支える骨(歯槽骨)の吸収があり、歯が動揺(動く)していない限り冠を連結して入れるようなことはしません。

もともと一本一本独立した歯じゃないですか、それをつなぐことは基本的にしません。フロスも通らないですし。

 

その方は歯も動いてないとのこと、

 

ではなぜ、つないでいるのか・・・

 

それは医学的な根拠はないと思います。きっとつなげているとセットするときに簡単だからじゃないですかね?

両端の接触の調整(コンタクト調整)だけで終わりですもんね。4本入れるなら本来5か所のコンタクトの調整が必要です。それが一回で済むからでしょう。

でも本来は一本づつ入れるべきなのは言うまでもありません。

 

そして冠をかぶせる前の根っこの治療(根管治療)ですが、痛みがある時には最終的な冠を入れることはありません。

痛いのに最終のお薬を入れてはいけませんし、、痛いときに土台をセメントでくっつけて冠まで入れてしまうなんてことはないです。

 

基本的にどこか問題があるから痛いんです。

 

やり替えるためには、かぶせた冠を切って削って外すしか方法はないです。二度手間ですよね。でも治せないことはないです。

 

手を抜かずにまっとうに治療してほしいですよね。

 

同じ歯医者として、情けない話でした。

 

 

白い詰め物

朝晩の冷え込みがきつくなってきましたね。いつの間にか冬支度を始めようかなと思う今日この頃です。

 

さて、今日はちょっと真面目に歯のお話です。

 

 

 

 

最近は治療にも審美性(見た目の美しさ)を求めるようになってきているので、銀歯より白い詰め物を希望される方が多いです。

保険でできる白い詰め物、かぶせ物と言うと光重合レジンと言う樹脂でできたものやCADCAM冠と言うこれもレジンのもっと硬いようなものです。

基本的にプラスチックのようなものなのでやはり経年的には朽ちていきます。高強度と言っても所詮はプラスチックですので陶材には及びません。

 

自費治療で使われる白い詰め物やかぶせ物はセラミック(陶器でできたもの)で出来ていますので、朽ちていくということはないです。

また強度的にも歯のエナメル質に近いので、保険のものとは大きく違います。

 

保険の白い詰め物である光重合レジンの場合、小さい虫歯の場合で咬合力(噛む力)が直接その場所に加わらない場合は使えますが、力が加わるところに使用すると割れて欠けてしまう場合が多いです。それゆえに何でもかんでも白いものを詰めることがおすすめではないのです。

 

同じ白いものでも大きな違いがあります。どこに使えるかなど症例によって一人ひとり違いがありますので、詳しくはご相談ください。

 

詰め物もこのように経年的に変化するものもありますので定期的にメンテナンスは必要かと思います。

衛生士さんの仕事

ある患者さんが「他の歯科ではどうして途中でドクターから衛生士さんに交代するんですか?」という質問がありました。

ちなみにうちではできる限り私自らやるようにしてますのでこんな質問が来たのでしょうね。

 

衛生士さんは国家資格でドクターの指示の下で歯の型を取ったり、歯石を取ったりすることが許されています。

一般的にドクターがすべての業務を行うことは難しいとされています。

なぜなら一人で診れる患者の数は限られていますので、当然ドクターしかできない、診断したり、歯を削ったり、歯を抜いたり、義歯のかみ合わせを取ったり、詰め物を調整したり、セットしたりすることを優先します。

衛生士さんでも許されているスケーリング(歯石を取ったり)や歯の型を取る仕事はドクター以外でも衛生士にのみ許されているのでそちらの任せることがほとんどだと思います。

しかし、型が取れなかったり、スケーリングが難しかったりするところは当然ドクターの指示の下行っているのですから、ドクターが変わって責任をもって行わなければなりません。ある意味でドクターができないなんてことはあってはいけないのです。

 

それを衛生士さんの方が「ドクターより上手いプロだから」とか書いていらっしゃるホームページを見せていただいたことがあります。

それは本末転倒です。ドクターの指示の下行うべきものを自分から下手だからと言っているようなものです。

そんなドクターはやめればいいと思います。

 

時々最初に衛生士さんが初診の患者さんを診て方針を決めてドクターに伝えているところがあります。忙しいからでしょうけど、それは明らかにおかしいです。診断は衛生士がするもんじゃありません。

ちょっと熱くなってしまいました。

今まで同僚のドクターに聞いた中で一番ひどかったのは技工士さんが先生と呼ばれて患者を診療しているところがあるそうです。そんなことをしているとそのうち捕まるでしょうが・・・あまり言うとにらまれるのでこの辺にしときましょう。

 

もちろん手の器用な人もいるでしょうが、くれぐれも許される免許範囲内で診療しましょうね。

 

一度に虫歯は治せないの?

今回は素朴な患者様からの疑問です。

「歯医者に通う時間が長すぎるのでいっぺんに治して欲しい。全部一度に治せないの?」と言う質問です。

確かに時間がかかりますよね。ただ虫歯を取って埋めるだけならその日にすみますが、型を取ったり、神経の治療をしたり・・・歯周病の治療をしたり・・・となると結構長期間に及ぶことが少なくありません。

今回は簡単に虫歯についてお話したいと思います。

虫歯を削って型を取られたことがあると思いますが、銀歯やセラミックなどの詰め物や被せ物を作るときに口の中の状態を再現するために咬合器と言う機械を使います。様々な咬合器がありますが、簡単に言うと口の中の噛み合わせの状態を再現する機械です。

それで作ったものを患者さんの歯の中に入れていくのですが、すぐにピッタリ合うかと言うとやはり微調整が必要です。たとえ模型上で再現していても実際に噛んでもらって調整していく必要があるのです。

被せ物とかを入れられたときに調整していて、「どうですか?高い感じがありますか?」などと聞かれたことがあると思いますが、「ちょっと高い気がする・・・」とか本当に微妙な感覚を覚えたことがあるのではないでしょうか。

一本入れるにもそのような微調整を行っていかないといけないものなのです。今までの噛みあわせがちょっとでも狂ってしまうと顎の関節にストレスがかかったりしてしまうので、細心の注意が必要です。

ココまで言うとなんとなくお分かりいただけるでしょうか?

一度にあちこち削ってしまうと今までの噛みあわせがかなり違ってしまいます。噛み合わせの確保が出来なくなってしまうのです。それで一度にいっぱい削って型を取るっていう治療が難しいと言うことです。

かみ合わせに関係の無いところの虫歯なら何本か出来るかもしれませんが、詳しくはご相談くださいね。

入れ歯は何回も作れるの?

 

患者さんからの質問です。

 

「入れ歯は何回も作れるのですか?」と言う質問をいただきました。

 

保険では入れ歯を作ってから半年間は新しい入れ歯は作ることは出来ません。

特殊な場合として紛失してしまった場合、保険者のほうにその旨を連絡していただいてオッケーが出れば作ることは可能ですが、基本的には半年間は新たに作ることは出来ません。

 

 

入れ歯のお話をしますね。

 

 

入れ歯を新製しても調整が必要です。

新しく作るときに型を取って作るのですが、それでも歯茎の肉の厚みが場所によって違うために歯茎で支える入れ歯は場所によって微妙に沈み方が違います。

歯茎の粘膜の厚いところは少し沈みますが、薄いところはすぐ下が骨(歯槽骨)なのであまり沈みません。全体が沈んだときにその部分だけ沈まないので強く当たることになります。

歯茎のクッションが薄いので強く当たるといってもいいかもしれません。

そういったところを微調整する必要があります。食べるといった行動は複雑な動きをしますので使っていただかないとわからない部分がどうしてもあるのです。

 

作ってすぐに当たって痛い場所が出てきたとしても調整を行えば改善していきます。なのですぐにあきらめないで、どこが痛かったとかを伝えてもらえれば調整の参考になりますので、遠慮なくお伝えください。

 

 

入れ歯は調整しながら完成に近づいていくといった具合ですね。

 

 

それゆえ、入れ歯をセットする日で形は完成してきますが、セッティングが必要だと考えてください。(もちろんすぐに大丈夫な場合もあります。)

 

他の医院で作製して合わなかったので新しく作ってくださいと言われて来院されることが多いですが、その場合もその昔の入れ歯にはいろいろな情報が満載ですので、どこが気に入らなかったのか?などいろいろ参考になる点が多いですので来院の際にはお持ちいただけると助かります。

 

 

調整だけで済む場合もありますし、入れ歯の裏だけ合わせることも出来ますし、

 

いろんな選択肢がありますのでよろしくお願いしますね。

型を取るものについての質問

患者さんからの質問です。

 

歯を削って型を取ってもらったのですが、上の歯を削ったのに下の型を取ったのはなぜですか?

また型を取る粘土みたいなのが苦手でどうにかなりませんか?と言う質問です。

 

まず、型を取って銀歯や入れ歯を作るときにお口の中の状態を模型上で再現しないといけません。

 

そのために咬合器と言うものに模型を付けてそれから技工士さんが作業していきます。

 

 

そのために削った側だけでなく、その反対のほうの歯の型も取っておかないとどのように噛んでいたのかを再現できません。そのために反対のほうの型も取るのです。

 

もちろんそのときに噛み合せも取るようになります。ご理解いただけましたでしょうか?

 

 

 

次に型を取る材料ですが、印象材というものを使います。

 

 

 

いろんな種類がありますが、どれも粘土のような物です。笑

のどの奥に流れないようにして取りますが、どうしてもこれを使わないと型は取れませんのでご容赦ください。 

 

 速く固まるタイプのものもありますので詳しくはご相談くださいね。

インプラントはすぐに噛めるのかについて

インプラントの質問です。

 

 

 

 


最近、細いインプラントを穴をあまり掘らずに拡げて埋めてすぐに入れられる(噛めるように)出来るインプラントがあるそうだけど、どうなんですか?と言う質問です。

先ず最初にインプラントは骨と強固に結合して機能することになりますので、細いインプラントよりは太いインプラント体の方が骨と接する表面積が大きいですのでより咬合力に耐えることが出来ます。

一般的なサイズのインプラントを埋めることが出来れば問題ないのですが、極端に細くなると強度的な面で問題になると思います。

またすぐに入れることが出来るというのは場合によりけりだと思います。

十分に骨植が堅固な場合は可能かもしれませんがリスクはあります。

インプラントを埋めたとしてもすぐに骨と結合するわけではありませんので、骨と結合するまでの期間、咬合力が加わってもインプラントが動かないという前提がありますが、人によって咬合力に差がありますし、骨を折った人がまだくっついてないけど完全に動かないように固定しているので使っても動かなければ骨はくっつくという理屈のようなものです。

理論的には可能でしょうが、かなりリスクはあるというほかありません。

失敗してもいいのならやりましょうと言うのでしょうか?

そういうわけにもいきませんから、私は即時加重はしません。

経験上不可能ではないと思いますが、少しでも失敗することが無いように、確率の高い方法にするべきかと思いおこなっていないだけです。

それはドクターの考えによっても患者のニーズによっても変わってくるでしょうから、どちらが正しいのかとは言えないと思います。

ただできる限り不確定な要素を排除したいと思って治療しています。

ですので、すべての症例で即時加重可能と言うのはちょっと違う気がしますが・・・

あと、拡大して埋めていくということですが、これは昔からある方法ですが細かく大きさを上げていってホールを作っていく方法だと思いますが、

 

似たような方法もいろいろ試したことはありますが、骨の硬さによって、すべてが同じように拡大できるわけでも無かったですし、やわらかいほうにズレてしまいますし、

 

とりあえず埋まればいいというわけでもありませんので、使うことはありますがGBRを併用したりすることが多いですので、拡大の方法だけでまったくGBRが要らないとは言えません。

それゆえ、拡大するだけで埋入できるというようなことは言えないわけです。

選択肢を狭めるようなことは当医院ではいたしておりませんので・・・

 


答えになりましたでしょうか・・・

 

 

詰め物についての相談を受けました・・・

先日相談を受けました。 

会社の人が詰め物が取れて歯医者に行ったら

「定期的に詰め物をはずして中が虫歯になっていないか確かめないといけません」と言われたそうなんだけど・・・そんなものなの?

・・・

定期的に詰め物をはずす必要があるなんて聞いたことはないですが・・・

 

治療の時には虫歯になっている部分は特殊な場合を除き、すべて取り除いているはずですので中が虫歯になるはずは無く、ましてやわざとはずして確かめるんなら最初から取り除くべきでしょう。

 

 

 


どうしてそのように説明されたのかよくわかりません。

治したところが永久にもつのかですが、それはまた話が違ってきます。

冠を入れたり詰め物をしたりするのに接着にセメントを使いますが、それがどれだけの耐久性があるのか、またレジンと言う樹脂で出来た詰め物はプラスチックのようなものですからどうしても磨耗してきたり、変色してきたりしますので変色したり劣化してきた場合はやり直さないと仕方ありません。

だから永久にもつものは無いのかもしれませんが、それでもわざと虫歯になっていないか確かめるためにはずす必要があるわけではありません。

歯科医になって30年近くになりますがそれくらいの年月がたってもやり治すことなく特に問題ないものはたくさんあります。

変色や劣化で欠けてしまったりするレジンのようなものは気になったり破折した場合はやり直す必要はあるでしょうが、詰め物や冠をわざわざ故意にはずす必要は無いのではないでしょうか。

こちらでは変色したり破折しているところは説明差し上げた上でどうされるか相談の上で治療するようにしていますので、もしも何かわからないことがありましたらお気軽にご相談ください。